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2020.12.3

令和2 年12月の言葉 身近な仏教用語「会釈(えしゃく)」

知り合いと道ですれ違う時やエレベーターなどで乗り合わせて先に降りる時などに、軽くお辞儀をすることがありますね。

人に対して親しみや謝意(しゃい)をこめて、軽くお辞儀をして、ほほ笑んだりするあいさつのことを「会釈」といいます。

会釈は、もともと仏教用語で「和会通釈」(わえつうしゃく)の略語です。

「和会通釈」とは、数多くの説法や経典を照らし合わせると、お互いに矛盾しているように思える教えがあり、その相違点を探って共通する意味を見出し、根本の真意が通じるようにまとめていくことをいいます。

そこから、ものごとを広く考慮しながら解釈するという意味へと転じ、それが多方面に気を配ることや事情を汲み取って思いやるという意味になっていきました。

「遠慮会釈もない」などと言いますが、これは相手に対する思いやりがないという意味で使われています。

会釈には、相手の事情を考慮し、思いやりの気持ちを表すという深い意味があったのです。